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Preferred Networks Blog Graph Neural Network を用いたグラフの木幅予測

本記事は、2019年夏のインターンシップに参加された中野裕太さんによる寄稿です。 皆様はじめまして。2019 年 PFN 夏季インターンシップに参加していた北海道大学の中野裕太です。本ブログでは、私が夏季インターンで取り組んだテーマである、「Graph Neural Network を用いたグラフの木幅予測」について説明します。 要旨 与えられた無向グラフがどれくらい木に近いかを表す値である木幅は、グラフ上の組み合わせ最適化問題に対するアルゴリズムの効率性や解そのものと深く関係しています。しかし、木幅を計算することは NP 困難なため、木幅を計算するには頂点数に対し指数時間かかってしまいます。そこで、今回 Graph Neural Network を用いた 2 つの方法でこの問題にアプローチしました。1 つ目は、よく知られた既存のアルゴリズムと組み合わせ探索木の枝刈りを行い高速化を図り計算する方法です。結果は、多くの場合で枝刈りがうまく働き、関数呼び出し回数が 90% 以上減少しました。2 つ目はグラフ回帰問題として直接木幅を計算する方法で、平均絶対誤差が 0.75 となりました。また、真値との誤差が 5 を超えるような、大きく間違えた例はありませんでした。 はじめに 木幅とは? グラフ理論において木幅とは、ある無向グラフに対し定義されるグラフ不変量の一つであり、大雑把にいうとグラフがどれくらい木に近いかを表す値です。この値を厳密に定義するためにまず、グラフに対する木分解*1というものを定義します。 ある無向グラフ \(G=(V,E)\) に対する木分解とは、下記の条件を満たす \((X = \{X_i\ |\ i \in I \},\ T = (I,\ F))\) のことをいいます。 \(i \in I\) に対し、\(X_i \subseteq V\) である。 \(V = \bigcup_{i \in I}\ X_i\) 全ての \(\{v, w\} \in E\) に対し、\(v, w \in X_i\) となる \(i \in I\) が存在する。 全ての \(v \in V\) に対し、\(\{i \in I\ |\ v \in X_i\}\) で誘導される、\(T\) の部分グラフが木となる。 下図に、グラフと木分解の一例を示します。 また、木分解 \((T = (I,\ F),\ X)\) に対する幅を \(\max_{i \in I} |X_i| – 1\) と定義します。例えば、先程の図における木分解の幅は 2 です。ここで、ある無向グラフ \(G=(V,E)\) に対する木幅 \(tw(G)\) は、\(G\) に対し可能な全ての木分解における幅の値の最小値として定義されます。 例えば、木に対する木幅を考えてみると、\(X_i\) を各辺の端点 2 点とすることで、定義を満たす […]

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Toru Nishikawa's photo - President & CEO of Preferred Networks, Inc

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